ドイツにおけるヒトゲノム解析 の倫理的諸問題への対応

2ドイツにおけるヒトゲノム解析 の倫理的諸問題への対応

基本文献の呈示と若干の予備的考察

福井医科大学

宮島光志

はじめに 見えないドイツ/模索するドイツ

個人的な思い出にわたるが、私が福井医科大学に着任して間もない1993年 11月19日から21日にかけて、その直前に神戸で開催された「ヒト・ゲノム・マッ ピング ’93」のサテライトシンポジウムとして、第3回国際生命倫理・福井セ ミナー「神経難病、ヒト・ゲノム研究と社会」が開催された。私は折り悪しく そのセミナーを会場で親しく聴講することはできなかったが、それを記録した 論集(1)が当日の盛んな議論の様子を伝えている。だが、それを読んでいてや はり気になったのは、「ドイツ不在」ということである。それは、かねてより 生命倫理に関するあれこれの文献を見渡すなかで、つねに抱いていた思いであ る。実際、その時のセミナーでは、米本昌平氏がナチス優生学の特異性に注意 を促しているのが(2)、ドイツに言及した数少ない例である。そうしたデリケー トな問題も含めて、当のドイツでヒトゲノム解析がどのように推進され、何が 倫理的な問題としてクローズアップされているのかは、手近な資料によっては なかなか見えてこないのである。

そこで、当研究会で呈示された資料のなかで比較的入手し易い英語圏の文 献に当たってみると、西欧諸国の全体的な動きのなかで特にドイツは大きく事 情が違っているということが、おぼろげながら見えてくる。HUGO総裁のW・ボー ドマー卿によると(3)、ドイツは確かにイギリス、フランスに次ぐプロジェク トの中心国であり、ヨーロッパ分子生物学研究所のあるハイデルベルクを拠点 として、またドイツがんセンターでも大規模なデータベース作成によって、ヒ トゲノム解析計画が推進されている。だが、他方で隣国デンマークからのレポー トは(4)、ECが当初の「予知医学(Predictive Medicine)」計画を「ヒトゲノム 解析」計画へと修正する際に、優生学にまつわる暗い過去をもつドイツからの 反発が大きく作用した、という事情を伝えている。そして、当のドイツからの レポートは(5)、断片的にではあれ、ヒトゲノム解析の倫理的問題に関しては すでに80年代半ばに連邦議会で真摯かつ複雑な議論が展開されていた様子を、 十分に窺わせてくれる。しかし、その議論を内在的に分析してみても、ドイツ の全体的な動向はなかなか掴めそうにはない。

そうした戸惑いを経験したうえで、私は敢えて、特定の議論に深く立ち入 るのではなく、むしろ管見に触れたドイツ語の関連資料を整理することに専念 してみたい。そうした手探りの作業のなかで、ドイツにおける大きな動きがそ れなりに見えてくれば幸いである。

1.先駆的論集『人体実験?遺伝子生物学と心理学』(H・レンク編1985年)(6)

本書は、生命倫理はもとより「エコロジー」や「政治倫理」など、ドイツ における応用倫理の現況を伝える《諸科学の倫理》というシリーズの1冊で、 比較的入手しやすいものである。このシリーズは、ヴェルナー・ライマース財 団の支援の下に、H・レンク、H・シュトーディンガーおよびE・シュトレーカー の3者を編集者として、錚々たる哲学者集団によって刊行されている。1984年 の創刊から1994年までに都合9冊が刊行されたが、それらのうち4冊(第3、4、7 および8冊)は生命倫理を特集している。その最初のものである本書が特に「ヒ トゲノム解析」関連の話題を取り上げたことの意味は大きい。それどころか、 本書前半部の基になった「遺伝子生物学」に関するコロキウムは、すでに1982 年1月の時点に行われたものである。ともあれ、編者レンクの「序論」は、実 験心理学の場合も含めて、80年代前半のドイツで「人体実験」をめぐる問題状 況がどれほど急速に顕在化し、そうしたなかで学際的な議論がどれほど切実に 求められるようになったかをよく伝えている。それを承けて、次のような論題 の下に具体的な議論が展開されている(7)。

  • 「生命的存在を探求する際の認識と関心」(F・クラーマー)
  • 「遺伝子技術の見込みと危険」(F・イェーニッシュ)
  • 「医療における遺伝学的方法-最近の成果と技術の現状」(P・F・ホーフシュナイダー)
  • 「遺伝学的な操作のエートスについて」(H‐M・ザス)
  • 「遺伝子操作の倫理に寄せて-議論のための3つの覚書」(O・ヘッフェ)
  • 「ヒトの遺伝子に対する非治療的な実験は非倫理的である-遺伝子技術に関する〔諸氏の〕講演に対するコメント」(H・シュトーディンガー)

これらのうちで最後のシュトーディンガーによる簡潔な「コメント」は、一昔前の問題状況とその受けとめ方を瞥見するには好都合である。彼は遺伝子生物学の新たな技術が近い将来さまざまな形で人間に応用される可能性を認め、賛否両論の交錯する状況を懐疑的な論調で述べながら、最終的に表題にある自説を断固として打ち出す。「こうして、私はヒトゲノムへの介入に関して態度を表明したことになる。私は、たとえ生まれる前の人間のものであれ、人間の人格的統合性を損なうような介入や操作は、いかなるものも倫理的な熟慮からして許されはしない、とみなしている。」(67頁)そして、その論拠として、彼は一方で人間の「自由」と「尊厳」を掲げるカント倫理学を前面に持ち出し、また他方では、非人道的な人体実験の舞台となった「強制収容所」の例を示唆するのである。こうした《カントとナチス》を引き合いに出す論法を、われわれは今日、日本人としてどのように受けとめるか-答えはそう易々とは出てこないのではないか。

2.里程標としての『医学・倫理・法律辞典』(A・エーザー他編1989年)(8)

ドイツ南西の小さな大学都市フライブルクといえばエコロジーに裏打ちされた都市づくりのモデルとして近年わが国でも有名だが、その地でドイツ初の生命倫理に関する辞典が誕生したことには、やはりそれなりの意味があるのかもしれない。もちろんあの浩瀚な『バイオエシックス百科事典』と比べればそれは何ともささやかなものではあるが、他方で10年来これだけ生命倫理に関する書物が氾濫しながらもいまだに専門の辞典を持たないわが国の現状を思えば、このコンパクトな辞典が頼もしく思えさえする。ともあれ、ここで注意すべきは、この辞典を生み出した動因がドイツの切迫した状況に求められるということである。つまり、現代医学においては、「診断法と治療、予知と生殖においてさながら追い立てられるようにして進歩してきた結果、<医学は可能なことをしてもよいのか>という問いが投げかけられている」(前書きⅤ頁)のである。こうした状況把握が特に「ヒトゲノム解析」の諸問題を念頭に置いてなされていることは、想像に難くない。

そうした諸問題に関連する項目をまず列挙してみれば、それは「研究(Forschung)」に始まり、「生殖医学(Fortpflanzungsmedizin)」「遺伝相談(Genetische Beratung)」「遺伝子技術(Gentechnik)」「人類遺伝学(Humangenetik)」「人体実験/治療実験(Humanexperiment/Heilversuch)」から「出生前医学(Pranatalmedizin)」にまで及ぶ。そして、ここではもはや立ち入ることはできないが、「遺伝子技術」の項目では「遺伝子治療」と関連させて倫理的な見地から、また「人類遺伝学」の項目では「遺伝子診断とゲノム解析」と題して法的な見地から、それぞれヒトゲノム解析の問題がクローズアップされているのである。

また「優生学(Eugenetik)」についてみれば、それは独立した項目として立てられてはいないものの、「生殖医学」の項目では「新たな優生学の危険」と題して、また「遺伝相談」の項目では「”優生学”の危険性と受け入れ難さ」と題して、いずれもナチス経験に言及しつつ批判的に取り上げられている。

ついでに、本辞典の特色として、項目ごとに充実した文献リストが添えられている点も指摘しておきたい。たとえば、「人類遺伝学」の項目には、ヒトゲノム解析に関する最も基本的な資料となった政府関連の次の2つの報告書(9)が示されている。

研究技術大臣編『体外受精、ゲノム解析および遺伝子治療(研究技術大臣および法務大臣の共同研究班による報告)』(ミュンヘン、1985年)

ドイツ連邦議会調査委員会、W‐M・カーテンハウゼン、H・ノイマイスター編『遺伝子技術の見込みと危険ドイツ連邦議会への報告文書』(ミュンヘン、1987年)

3.最初の体系的考察『ゲノム解析と遺伝子治療』(H‐M・ザス編1991年)(10)

「人間医学における倫理的な挑戦」という物々しい副題をもつ本書は、ドイツ連邦研究技術省の支援による生命医学倫理(biomedizinische Ethik)のためのプロジェクトの一環として1989年秋に行われたコロキウムに基づいている。すでにその前年には同じ編者による『アメリカ合衆国における生命倫理-方法・テーマ・立場(特にドイツ連邦共和国における問題提起を念頭に置いて)』(11)が出版されており、そこでもまた米国の「ゲノム解析と遺伝子治療」の事情が詳しく扱われている。いわば両者は姉妹関係にあり、あらかじめ周到な準備の下に企画されたものであると思われる。

全体的に見れば、本書は、まず基調報告とも言うべき<遺伝子技術と遺伝子‐倫理>の部、次いで医学的‐技術的な考察および法的諸問題を主に扱った<ゲノム解析>の部、さらにはドイツおよびEC、アメリカ合衆国、そして日本の研究動向を伝える<ヒトゲノム解析のための研究計画>の部、最後にまた倫理的諸問題を中心とする<遺伝子治療>の部、という4部構成をとっている。ここでは差し当たりヒトゲノム解析の倫理的諸問題に密接に関連する論題をリストアップしておきたい(12)。

<遺伝子技術と遺伝子‐倫理>の部から〔そのすべて〕

  • 「研究の進歩と責任倫理」(H‐M・ザス)
  • 「遺伝学と人間の改造可能性」(W・F・アンダーソン)
  • 「医療行為の限界状況」(T・シュレーダー‐クールト)

<遺伝子治療>の部から

  • 「ヒトの遺伝子治療にまつわる倫理的議論」(J・C・フレッチャー)
  • 「倫理的論証の3つのタイプ」(K・バイエルツ)
  • 「人間、科学、そして市場」(W・F・メイ)
  • 「倫理的な見込みと危険」(C・フックス)

なお、本書の編者ザスが『バイオエシックス年鑑』に寄稿した2本の英語論文(13)は、最近のドイツにおける生命倫理をめぐる包括的な状況を概観するには打ってつけである。そこでもまたヒトゲノム解析にまつわる倫理的諸問題が手際よくまとめられている。

4.議論の推移を伝える雑誌『医の倫理』(F・アンシュッツ他編1989年~)(14)

最後に、わが国ではまだあまり知られていないドイツの生命倫理の専門雑誌を取り上げてみたい。本誌は1986年に設立された社団法人「医の倫理アカデミー」が発行するクォータリーで、やはりフライブルク大学を拠点としている。以下では、この6年間に掲載された論文および記事のなかから、ヒトゲノム解析とその倫理的諸問題に密接に関連すると思われるものを中心に、順次そのタイトルを和訳して掲げてみたい。

Aヒトゲノム問題を主題的に扱った論文(15)〔これら「原著」扱いの論文には英語のおよび要旨とキーワードも添えられており、概要を知る上で好都合である〕:

  • 「人類遺伝学的な診断から生じる倫理的葛藤」(G・ヴォルフ1989年)
  • 「遺伝学的な家族相談のための指標」(T・M・シュレーダー‐クールト1989年)
  • 「ゲノム解析と人間の尊厳-神学的‐倫理的見解」(U・アイバッハ1990年)
  • 「ヒト生殖系列細胞の遺伝子治療?」(C・レーマン‐ズッター1991年)
  • 「動物実験による研究と実験的なヒト胚への関与」(H・J・ブレッチュナイダー 1991年)
  • 「生殖系列細胞の遺伝子治療と倫理」(S・ポリヴォダ1992年)
  • 「ゲノム解析と労働の保護」(R・パスラック1993年)

Bヒトゲノム問題に関する諸種の記事:

aインフォーメーションなど:

  • ①医の倫理に関する学術団体の設立(議論の場の開設)(16):社団法人「医の倫理アカデミー」[本誌の発行母体]、研究施設「医学における倫理と法」(フライブルク)、討論集団かつ研究施設「自然諸科学における倫理」(テュービンゲン大学)
  • ②「胚研究」に関する見解(17):〔見解〕「胚研究-許可か、禁止か?医の倫理アカデミー「胚の保護」研究班の胚研究に対する見解」(1990年)
  • ③人類遺伝学会「広報活動および倫理的諸問題検討委員会」からの遺伝子治療に関する声明および見解の提示(情報提供と議論の展開)(18):
  • 「人類遺伝学会の声明〔1989年〕」
  • 「人類遺伝学会・広報活動および倫理的諸問題検討委員会-声明(1990年11月28)」
  • 「人類遺伝学会・広報活動および倫理的諸問題検討委員会-出生後の予知遺伝子診断に対する見解〔など〕(1991年4月12日)」
  • 「〔社団法人〕人類遺伝学会・広報活動および倫理的諸問題検討委員会-出生前診断および妊娠中絶に対する見解〔など〕」
  • b学会報告(19):
  • ①ヒトゲノム解析に直接かかわるもの:
  • 「ヒト胚およびヒト研究に関するヨーロッパ生命倫理会議」(1988年11月、マインツ)
  • 「ヒトゲノム・プロジェクトから生じる法的および倫理的諸問題」(1991年3月、テキサス州ヒューストン)
  • 「完全に解読されたのか?ヒトゲノム解析の見込みと危険」(1991年3月、アルノルドスハイン・プロテスタント・アカデミー)
  • 「遺伝学、宗教、倫理に関する第2回全米学会」(1992年3月、ヒューストン)
  • 「質の検査と決定の手助けの間-批判的質疑の実験台に立たされる人類遺伝学的助言と出生前診断」(1993年4月、ケルン)
  • 「人格」と「人間の尊厳」に関するもの:
  • 「<人格と倫理>-人間医学の研究における倫理」(1992年1月-2月、医の倫理のためのエアランゲン研究集会)
  • 「<人間の尊厳>と<生命の神聖さ>という概念、および現代医学の葛藤状況のなかでそれらの概念が及ぶ範囲」(1992年10月、ビーレフェルト)
  • 「生命倫理の中心カテゴリーとしての<人格>」(1993年5月、第2回ヨーロッパ生命倫理セミナー、ナイメンゲン/オランダ」

c書評(20):

  • 『人類遺伝学-ゲノム解析と遺伝子治療に対する諸テーゼ』(P・ツェーザー編 1989年)〔「ラインラント‐プファルツ州倫理委員会報告」と併せて〕
  • 『遺伝子工学、生命工学および人類遺伝学の規制に関する諸問題』(F・ニックリッシュ、G・シェットラー編1990年)
  • 『新たな責任への旅立ち-人類遺伝学と胚研究のための文献目録と解題』(G・W・フーノルト、C・カッペス編1990年)
  • 『生殖医学と人類遺伝学における心理学的諸問題』(E・ブレーラー、A・マイアー編1991年)
  • 『議論を呼ぶ実験、体外受精-実情、苦痛、診断、そして倫理』(Ch・ヘルツレ、U・ヴィージング1991年)
  • 『ゲノム解析と遺伝子治療-人間医学における倫理的な挑戦』(H‐M・ザス編 1991年)〔本稿第3節で扱われた文献〕

なお、最後に、ゲノム問題と直接的には関係ないが、本誌で各分冊の末尾に添えられた語彙解説(Glossar)にも触れておきたい。そこでは、編者のひとりD・リッチュルの担当により、第4巻まで継続して次のような事項が取り上げられた。もしも「自己批判の厳しさ」や原則の重視、思考の徹底性などの点にドイツ精神の特徴があるとすれば、こうした細かな配慮にもそれは反映されているのかもしれない。

①倫理学の諸類型

  • 生命倫理の基礎概念として「インフォームド・コンセント」「説明の義務」「人間の尊厳」「人権」「自律」「決定、慣例」「規則」
  • 《医の倫理のための宣言》として「ニュルンベルク綱領(1947年)」「修正されたヘルシンキ‐東京宣言(1975年)」「スイス医学会<医師の助力による生殖のための医学的‐倫理的ガイドライン>(1990年)」「ヨーロッパ会議の<患者の権利>宣言(1976年)」「世界医師連盟リスボン宣言(1981年)」「看護婦のための綱領(1973年国際看護婦会議)」

おわりに-発信するドイツ

こうした手探りの作業を進めるなかで、進行中の「医の倫理・情報資料センター(IDEM)」のデータベース構想(21)に関する情報に出会えたのは、ささやかな喜びであった。その詳細はまだ掴んでいないが、わが国の多くの研究者が「Medline」と同じ感覚でドイツのデータベースにアクセスできる環境が整うとすれば、喜ばしいことである。

だが、そうはいっても、入手したドイツ語の文献を読み解くには、やはりそれなりの苦労が求められよう。ドイツ語の壁は、進級を願う一般教育課程の医学生だけのものではなく、わが国の生命倫理研究にとっても多少とも強固に立ちはだかっているのかもしれない。一般教育におけるドイツ語(広くは第二外国語そのもの)の抜本的な見直し(つまり縮小)が図られつつある今日、敢えて往時の蘭学者たちの労苦を百分の一だけでも追体験しつつドイツ語文献に挑む気概をもった自然科学研究者を育てることは、想像以上に困難なことに思われる。ともあれ、こうしてヒトゲノム解析にまつわる倫理的な諸問題に関わることは、その取り組み方によって程度の差こそあれ、自ら学際的‐国際的なコミュニケーションの推進にコミットするという意味をもっているのではないか。そう思うとき私の脳裏をよぎるのは、先に紹介した『医学・倫理・法律辞典』の「前書き」の一節である。「この『医学・倫理・法律辞典』は、対話重視の公明正大な姿勢によって自らの目的を実現しようとしている。したがって、あらかじめ決定されている事柄を的確に捉え直すことや、一面的なイデオロギーを標榜することは、その意図するところではない。そして、ただ自然科学者たちと精神科学者たちが偏見に捕らわれることなく相まみえることによってのみ、また実際的な経験と理論的な反省の間で開かれた対話が交わされることによってのみ、われわれはこのような道を前進していくことができるのである。」(Ⅵ頁)-倫理的な問題に深い関心を寄せつつ医科大学という環境でドイツ語教育に携わる者として、今後はこのヒトゲノム解析の倫理的諸問題に関してドイツから発信されるアクチュアルな情報を的確に捉え、わが国の実状とも照らし合わせながら、それらを広く紹介および検討していきたいと思う。

註および文献表

※かなり煩雑ではあるが、以下では、本文中で言及した個々の文献の書誌的データを可能な限り厳密に記載することにする。

(1) 藤木、メイサー編『神経難病、ヒト・ゲノム研究と社会-第3回国際生命倫理・福井セミナー』ユウバイオス倫理研究会(筑波)、1994年。藤木、メイサー編『ヒト・ゲノム研究と社会-第2回国際生命倫理・福井セミナー』同研究会、1992年も参照。なお、ドイツからの演者は日程上の都合などにより福井セミナーに参加してもらえなかった、と聞き及んでいる。

(2) 上掲書、115-16頁。米本昌平『遺伝管理社会-ナチスと近未来』弘文堂1989年、C・アンブロセリ『医の倫理』(中川米造訳)白水社1993年、土屋貴志「「シンガー事件」と反生命倫理学」『生命倫理』第4巻第2号(1994年10月)、45-49頁も参照。

(3) Sir W.Bodmer, Genome Research in Europe, in: Science, Vol.256 (1992), pp.480-481.

(4) A Report from Germany. An Extract from Prospects and Risks of Gen Technology: The Report of the Enquete Commission to the Bundestag of the Federal Republick of Germany, in: Bioethics, Vol.2,(1988), pp.254-263.

(5) Bo Andreassen Rix, A Report from Denmark. Should Ethical Concerns Regulate Science? The European Experience with The Human Genome Project, in: Bioethics, Vol.5 (1991), pp.250-256.

(6) Hans Lenk (Hrsg.), Humane Experimente? Genbiologie und Psychologie, Munchen/Paderborn/ Wien/Zurich, 1985. (Ethik der Wissenschaften, Bd.3)

(7) Einleitung (H.Lenk), S.7-11 以下、次のとおり。

Friedrich Cramer, Erkenntnis und Interesse in der Erforschung des Lebendigen, S.13-23.

Rudolf Jaenisch, Chancen und Gefahren der Gentechinologie, S.24-39. Peter Hans Hofschneider, Genetische Methoden im Dienste der Medizin. Derzeitige Produkte und Stand der Technik, S.40-45. Hans-Martin Sas, Vom Ethos der genetischen Manipulation, S.46-60. Otfried Hoffe, Drei Diskussionsbemerkungen zur Ethik der Genmanipulation, S.61-65. Hansjurgen Staudinger, Nichttherapeutische Genexperimente am Menschen sind unethisch. State- ment zu den Vortragen uber Gentechnologie, S.66-67.

(8) Albin Eser, Markus von Lutterotti, Paul Sporken (Hrsg.), Lexikon Medizin, Ethik, Recht,Freiburg i.Br./Basel/Wien 1989. また、この辞典の普及版として Ders.(Hrsg.), Lexikon Medizin, Ethik, Recht. Darf die Medizin, was sie kann? Information und Orientierung, Freiburg i.Br./ Basel/ Wien 1992も参照。

(9) Bundesminister fur Forschung und Technologie (Hrsg.), In-vitro-Fertilisation, Genomanalyse und Genetherapie, Bericht der gemeinsamen Arbeitsgruppe des Bundesministers fur Forschung und Technologie und des Bundesministers des Justiz, Munchen 1985. Enquete-Kommision des Deutschen Bundestages, W.-M. Catenhausen, H.Neumeister (Hrsg.), Chancen und Risiken der Gentechnologie, Dokumentation des Bereichts an den Deutschen Bundestag,Munchen 1987.

また、総合的‐学際的研究としては、次の文献が示されている。

V.Braun, D.Mieth, K.Steigleider (Hrsg.), Ethische und rechtliche Fragen der Gentechnologie und der Reproduktionsmedizin, Munchen 1987. R.Flohl (Hrsg.), Genforschung – Fluch oder Segen. Interdisziplinare Stellungnahmen, Munchen 1985.

(10) Hans-Martin Sass (Hrsg.), Genomanalyse und Gentherapie. Ethische Herausforderung in der Humanmedizin. Berlin/Heidelberg/New York 1991.

(11) Hans-Martin Sass (Hrsg.), Bioethik in den USA. Methoden・Themen・Positionen. Mit beson- derer Berucksichtigung der Problemstellungen in der BRD. Berlin/Heidelberg/New York 1988.

(12) 各論文の原題および頁は以下のとおり。 H.-M.Sass, Forschungsfortschritt und Verantwortungsethik, S.3-16. W.A.Anderson, Genethik und Verformbarkeit des Menschen, S.17-24. T.Schroder-Kurth, Grenzsituation arztlichen Handelns, S.25-37. J.C.Fletcher, Ethische Diskussion der Gentherapie am Menschen, S.240-290. K.Bayertz, Drei Typen ethischer Argumentation, S.291-316. W.F.May, Mensch, Wissenschaft und Markt, S.317-323. C.Fuchs, Ethische Chancen und Risiken, S.324-331.

(13) H.-M.Sass, Bioethics in German-Speaking Western European Countries: Austria, Germany,Switzerland, in: Bioethics Yearbook, Vol.2 (Regional Developments in Bioethics: 1989-1991),Dordrecht/Boston/London 1992, pp.211-231. H.-M.Sass, Bioethics in German-Speaking Western European Countries (Austria, Germany, and Switzerland): 1991-1993, in: Bioethics Yearbook, Vol.4 (Regional Developments in Bioethics: 1991-1993), 1995, pp.247-268

(14) Ethik in der Medizin, Organ der Akademie fur Ethik in der Medizin, Berlin/Heidelberg/New York (Springer-Verlag), 1989-.

(15) 以下では、巻(Bd.)数と頁(S.)数のみを示し、号(Heft分冊)数は省くものとする。 Gerhard Wolff, Die ethische Konflikte durch die humangenetische Diagnostik, Bd.1 (1989), S.184-194.

Traute M.Schroeder-Kurth, Indikationen fur die genetische Familienberatung, Bd.1 (1989), S.195-205.

Ulrich Eibach, Genomanalyse und Menschenwurde-Eine theologisch-ethische Stellungnahme,Bd.2(1990), S.22-36.

Christoph Rehmann-Sutter, Gentherapie in der menschlichen Keimbahn?, Bd.3 (1991), S.3-12.

Hans Jurgen Bretschneider, Tierexperimentelle Forschung und experimenteller Umgang mit mensch- lichen Keimen, Bd.3 (1991), S.121-131; Vgl.Gunter Patzig, Korreferat, S.133-138.

Sebastian Poliwoda, Keimbahntherapie und Ethik, Bd.4 (1992), S.16-26.

Rainer Paslack, Genomanalyse und Arbeitsschutz, Bd.5 (1993), S.184-197.

(16)Die Akademie fur Ethik in der Medizin e.V., Bd.1 (1989), S.46-47 (E.Seidler). Forschungsstelle “Ethik und Recht in der Medizin” in Freiburg i.Br., Bd.1 (1989), S.228 (A.Eser,E.Seidlder). Gesprachskreis und Forschungsstelle “Ethik in den Naturwissenschaften” (Universitat Tubingen), Bd.2(1990), S.45-46 (D.Mieth).

(17) Stellungnahme Embryonen-Forschung – Zulassen oder verbieten? Stellungnahme der Arbeitsgruppe “Schutz des Embryo” der Akademie fur Ethik in der Medizin zur Embryonen-Forschung,Bd.2 (1990), S.107-115.

(18) Erklarungen der Gesellschaft fur Humangenetik, Bd.3 (1991), S.38-39 (G.Wolff). Kontroverse: Kommision fur Offentlichkeitsarbeit und ethische Fragen der Gesellschaft fur Human- genetik. Erklarung. Bd.3 (1991), S.97. Kommisionen fur Offentlichkeitsarbeit und ethische Fragen der Gesellschaft fur Humangenetik.Stellungnahme zur postnatalen pradiktiven genetischen Diagnostik / Stellungnahme zum Hetero- zygoten-Bevolkerungsscreening, Bd.3 (1991), S.146-148. Kommission fur Offentlichkeitsarbeit und ethische Fragen der Gesellschaft fur Humangenethik e.V. Stellungnahme zur vorgeburtlichen Diagnostik und zum Schwangerschaftsabbruch / Stellungnahme zur pranatalen Vaterschaftsdiagnostik /Moratorium zum Triple-Screening fetaler Chromosomenaber- rationen aus mutterlichem Serum, Bd.4 (1992), S.199-201.

(19) Europaische Bioethik-Konferenz uber menschliche Embryone und Forschung, Bd.1 (1989), S.52-54 (G.Bockenheimer-Lucius). 以下、()内はすべて報告者の名前を示す。 Legal and Ethical Issues Raised by the Human Genome Projekt. 7.-9. Marz 1991 in Houston,Texas,Bd.3 (1991), S.152-154 (K.W.Schmidt und B.A.Lustig). Total entschlusselt? Chancen und Gefahren der Analyse des menschlichen Genoms – Tagung vom 15.bis 17. Marz 1991 in der Evangelischen Akademie Arnoldshain, Bd.3 (1991), S.156-158 (P.-W.Schreiner). Second National Conference on Genetics, Religion and Ethics. Houston (Texas), 13.-15.Marz 1992,Bd.4 (1992), S.151-153 (K.Schmidt et al.). Zwischen Qualitatsprufung und Entscheidungshilfe – Humangenetische Beratung und Pranatale Diagnostik auf dem Prufstand kritischer Anfragen. Fachtagung, Koln 27./ 28. April 1993, Bd.5 (1993), S.163-165 (T.Neuer-Miebach). “Person und Ethik”. Ethik im Studium der Humanmedizin: Ergebniskolloquium. Erlanger Studientage zur Ethik in der Medizin, 29.Januar-2.Februar 1992, Bd.4 (1992), S.208-210 (A.Frewer, C.Rodel). Die Begriffe “Menschenwurde” und “Sanctity of Life” und ihre Tragweite fur ethische Konfliktlagen in der modernen Medizin. Bielefeld, 1.-3.Oktober 1992, Bd.5 (1993), S.53-56 (K.W.Schmidt). Die “Person” als Zentralkategorie der Bioethik. Das 2.Europaische Bioethik-Seminar, 11.-15. 05.1993, Nijmengen, Niederlande, Bd.5 (1993), S.206-208 (M.Dornberg)

(20) P.Caesar (Hrsg.), Humangenetik. Thesen zur Genomanalyse und Gentherapie, Bd.47. Heidelberg (C.F.Muller) 1989./ Bericht der Bioethik-Kommision des Landes Rheinland-Pfalz, Bd.3(1991), S.50-52 (T.Schroeder-Kurth). F.Nicklisch, G.Schettler (Hrsg.), Regelungsprobleme der Gen- und Biotechnologie sowie der Humangenetik (Technologie und Recht, Bd.12), Heidelberg (C.F.Muller) 1990, Bd.3 (1991), S.52-53 (A.Laufs). G.W.Hunold, C.Kappes (Hrsg.), Aufbruche in eine neue Verantwortung. Annotierte Bibliographie zur Humangenetik und Embryonenforschung. Freiburg/Basel/Wien (Herder) 1991, Bd.4 (1992), S.149-150 (T.Schroeder-Kurth). E.Brahler, A.Meyer (Hrsg.), Psychologische Probleme in der Reproduktionsmedizin und Humangenetik (Jahrbuch der medizinischen Psychologie, Bd.5), Berlin/Heidelberg/New York (Springer) 1991 Ch.Holzle, U.Wiesing, In-vitro-Fertilisation-ein umstrittenes Experiment. Fakten, Leiden, Diagnosen, Ethik, Berlin/Heidelberg/New York (Springer) 1991, Bd.4 (1992), S.204-205 (G.Bockenheimer-Lucius) H.-M.Sass, Genomanalyse und Gentherapie.Ethische Herausforderung in der Humanmedizin, Bd.5(1993), S.100-101 (P.-W.Schreiner).

(21) Ute Elsner, Ute Meinecke und Stella Reiter-Theil, Literaturrecherche uber die Akademie fur Ethik in der Medizin. Zum Aufbau einer Informations- und Dokumentationsstelle, in: Ethik in der Medizin, Bd.4 (1992), S.79-88. ETHMED: Neue Online-Datenbank zur Ethik in der Medizin. Informations- und Dokumentationsstelle Ethik in der Medizin (IDEM), in: Ethik in der Medizin, Bd.6 (1994), S.165-66.

[付記]本稿作成に際して同僚の山本達教授(倫理学教室)から文献に関する幾多のご教示をいただき、併せて多数の文献を借用させていただいた。記して感謝申し上げる


Dept. of EThics <ethics@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>

Last modified: Tue Sep 22 14:24:36 JST 1998