「情報倫理の構築」プロジェクト

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FINEニューズレター

No. 11, March 2002

巻頭言

本号では、1本の記事と3本の文献紹介をお届けします。山本氏による記事は、日本政 府による電子政府、とりわけ、その認証システムと情報の保存管理システムについて レビューしています。電子政府の現状を概観し、その問題点について言及しています。 また、佐々木氏による記事は、医師の職業倫理に関するものです。そして、清水氏が 紹介するライオンの論文では、日常監視やデータベース監視の問題が、プライバシー という観点からではなく、肉体を持った人格の尊重という観点から論じられています。 また、データベースシステムの「パノプチコン」的な「生の権力」によって人々が 「標準化」されるという点を鋭く指摘しています。林氏によって紹介される論文では、 論者マッカーサーが、プライバシーを「合理的期待」という概念から分析し、その上 で、情報技術社会におけるプライバシーへの合理的期待を捉えるために有益な「不運 の原理」と「自発の原理」を提示しています。山本氏、清水氏、林氏による記事や紹 介文献は、いずれもプライバシーや個人情報に関わる問題を取り扱っておりますので、 その方面に関心のある方はぜひご覧下さい。佐々木氏による文献紹介は、医師の倫理規範を内容と規制制度の観点からドイツ、アメリカ、フランス、イギリス、日本の現状に関するものです。各国の倫理規範に関するWebページへのリンクも含め、充実した内容となっています。なお、編集長、編集委員ともに、京都大 学文学部倫理 学研究室に在籍する学生、院生を中心に構成しておりますので、至ら ぬ点も多々ある かと思いますが、読者の皆様からのご意見、ご感想、ご指導をお待 ち致しております。

FINE京都「情報倫理ニューズレター」編集委員会 編集長
京都大学大学院文学研究科博士後期課程
奥田太郎

読者の皆様へのお願い

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Last modified: March 31 2002(ver. 1.0)