「情報倫理の構築」プロジェクト

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FINEニューズレター

No. 10, Feburuary 2002

巻頭言

本号では、1本の記事と2本の文献紹介をお届けします。神崎氏による記事は、最近ア メリカで出された、ソフトウェアの取引を販売とみなす、という判決を報告したもの です。この記事では、裁判での原告アドビと被告ソフトマンの主張を著作権侵害の観 点から紹介し、ソフトウェアの取引はライセンスか販売か等の論点が考察されていま す。また、鶴田氏が紹介したトンプソンの論文は、プライバシーを論じたものです。 トンプソンは、プライバシーに関する一連の議論をサーベイした上で、ウォーレン& ブランダイス流のプライバシーではなく、むしろ秘密とセキュリティを軸に置いた 「リスクに基づくアプローチ」が有効である、という自説を展開しています。そして、 前号より連載でお届けしているEthics and Information Technology誌上シン ポジウム講演記事紹介の第二弾では、佐々木氏がジョン・ウィッカートの講演を紹介 しています。ここでは、主にコンピュータ・ネットワークに潜む倫理的問題が具体的 に論じられています。また、ウィッカートがコンピュータ倫理学の効用として「ソク ラテス的な役割」を挙げている点は、倫理学者の役割というさらに掘り下げて議論さ れるべき論点だと思われます。なお、編集長、編集委員ともに、京都大学文学部倫理 学研究室に在籍する学生、院生を中心に構成しておりますので、至らぬ点も多々ある かと思いますが、読者の皆様からのご意見、ご感想、ご指導をお待ち致しております。

FINE京都「情報倫理ニューズレター」編集委員会 編集長
京都大学大学院文学研究科博士後期課程
奥田太郎

読者の皆様へのお願い

このニューズレターはWeb上での公開ですので随時更新致します。 もし引用等される場合には最新バージョンであるかどうかを常にご確認下さい。よろ しくご承知おき下さいますようお願い致します。


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Last modified: February 7 2002(ver. 1.0)