実践哲学研究
趣旨
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われわれの社会が直面している現今の状況は、倫理学の重要性を日増しに痛感させるものである。しかしながら、ひとくちに倫理学といってもその対象は多岐にわたる。諸分野の共同なしには研究の進展はない。それゆえ、われわれ京都大学倫理学研究室大学院生は、みずからの研究を公にすることによって、広く諸姉兄の批判と判断を仰ぎ、各自の問題意識を深めると同時に相互の交流を図るべく、ここに『実践哲学研究』を発行する。
- 当会では賛助会員制度を設け、会誌の読者の皆様にご支援をお願い致して
おります。例年多数の方々のご協力をいただき、誠にありがとうございます。
当会では、会誌の充実を含め、なお一層の努力を致す所存でございますので、
今後とも引続きご支援のほどよろしくお願い致します。なお、賛助会費は年一
口1000円〜お願い致しております。また、執筆料は18000円となっております。(特集記事、研究報告などの場合、執筆料が変動することもあります)
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年会費は12000円とし、修士課程まで他大学、あるいは京都大学の他専修に在籍していた大学院生も5年分の年会費を払うこととする。修士課程まで本専修に在籍し、その後博士課程後期仮定に進学せず卒業した大学院生に対しては年会費を徴収しない。
- 発行: 京都倫理学会
〒606 京都市左京区吉田本町
京都大学文学部倫理学研究室内
郵便振替 01020-1-27560
代 表
水 谷 雅 彦
最新号:実践哲学研究第36号(2013)
- 鈴木 崇志:Der Hintergrund von Husserls Begriff der Kundgebung und Kundnehmung
- 鈴木 真:非認知主義の本性と意義
- 《研究報告》徳倫理学の最前線(1)
-->林 誓雄 ロザリンド・ハーストハウスの徳倫理学
-->佐藤 岳詩 現代徳倫理学における自然主義と徳の規準
-->杉本俊介 フィリッパ・フットの自然主義・徳理論・Why Be Moral?問題
本年度の研究報告の執筆料について
2013年度の研究報告の執筆料は論文執筆料と同じ18000円とする。
ただし、40000字をこえる研究報告については、10000字ごとに3500円の追加料金を徴収する。
・バックナンバー
『実践哲学研究』On Line
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当研究室の紀要である『実践哲学研究』は京都大学学術情報リポジトリにてご覧いただけます。
以下に、創刊号からの目次を記しておきます。
お手数ですがリポジトリ内で検索をお願いします。
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ぜひ御感想をお聞かせください。--> info[+@]ethics.bun.kyoto-u.ac.jp
実践哲学研究創刊号(1978)
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森口美都男:刊行に寄せて
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安彦一恵:ベルン時代におけるヘーゲルの「自由」概念
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柴田秀:現代哲学における課題と方法
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大町公:divertissementを超えるもの----パスカルの概念を手がかりとして----
実践哲学研究2号(1979)
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長岡成夫:功利主義における行為の結果
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榎本百合子:シモーヌ・ヴェイユにおける「注意」----「神への暗黙裡の愛の諸形態」を中心にして----
実践哲学研究3・4号(1981)
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大町公:オルテガの倫理学
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桝形公也:言葉と倫理----キェルケゴールの言語観を手がかりにして----
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松島哲久:死と超越----身体において、死と再生はいかなることとして了解されるか----
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佐別当義博:カントの「尊敬の感情」について
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西村誠:趣味について----『判断力批判』第22節の選言を巡る考察
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柴田秀:BONHOEFFER UND UNSERE ZEIT----Die Ueberwindung der Religiositaet
bei Bonhoeffer----
実践哲学研究5号(1982)
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伊藤正博:ポール・リクール『意志の哲学』における方法の問題
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高見保則:プラグマチズムと最高善----パースの後期哲学をめぐって----
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北尾宏之:カントに於る実践哲学の位置----自由論を手掛かりにして----
実践哲学研究6号(1983)
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水谷雅彦:悔悟と人格----シェーラー倫理学における情緒的なるものの位置----
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平石隆敏:ヘーゲル青年期に於ける宗教そして国家・歴史をめぐる思惟の展開について
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戸谷良二:ON JOHN RAWLS'S TWO PRINCIPLES OF JUSTICE----Their theoretical
development----
実践哲学研究7号(1984)
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松島哲久:信と言語----倫理学の新たな可能性----
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藤野寛:いかなる意味においてソクラテスをキルケゴールはたたえるのか
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前田義郎:カントの「知覚論」の基にあるもの もしくは すべての表象の実在性に関する第一の源泉
実践哲学研究8号(1985)
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高見保則:言語ゲーム
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田村公江:夢形成のメカニズム----『夢判断』を読む----
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本田裕志:魂の「身体からの独立」と「現実との接触」----『物質と記憶』におけるベルクソンの心-身関係論----
実践哲学研究9号(1986)
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平石隆敏:近代自然法思想における「社会」と「自由」----Th.ホッブズの場合----
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前田義郎:物、時間、場所の同、及び、異に関する諸規則----事件の可能性の源泉について----
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渡辺啓真:「探究の目的」と規範学----C.S.パースにおけるプラグマティズムの一帰結----
実践哲学研究10号(1987)
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藤野寛:実存という問題
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田村公江:フロイトの性欲理論----ヒステリー病因論をめぐって----
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柳澤有吾:フッサールにおける、自我、人間、世界----『イデーン』をめぐって----
実践哲学研究11号(1988)
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本田裕志:スピノザの国家論について
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亀喜信:ベルクソンにおける、持続と知性
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佐藤義之:知覚における事実性の問題----メルロ・ポンティ後期哲学を中心に----
実践哲学研究12号(1989)
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古田裕清:形相と言葉----ハイデガーのformale Anzeigeについての一考察----
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八幡英幸:美感的判断力の原理に関する困惑について
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渡辺啓真:個体と体験----ホワイトヘッドの「改変された主観主義」----
実践哲学研究13号(1990)
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亀喜信:懐疑と自由----デカルトにおける知情意----
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山下智志:ベルクソンに於ける生と記憶
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松王政浩:本質と存在の問題----ライプニッツ形而上学をめぐって----
実践哲学研究14号(1991)
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江口聡: 沈黙のヨハンネスはなぜ眠れないのか----キェルケゴールの『恐れとおののき』における倫理的なものについて----
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蔵田伸雄:善意志の自律
実践哲学研究15号(1992)
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内井惣七:ダーウィンの自然選択説に関する二つの疑惑
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佐藤義之:相対の中の絶対----『見えるものと見えないもの』における「見えるもの」、知覚野、存在----
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白水士郎:関心と哲学----カントの二律背反の解決をめぐって---
実践哲学研究16号(1993)
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八幡英幸:「自然目的として見る」ことの文法〜カントの有機体論からの展望〜
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伊勢田 哲治: 内部実在論と認識における価値
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松王 政浩: 自我論再考----分断された経験論的自我をめぐって----
実践哲学研究増刊第1号(1994)
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藤野寛:哲学することへの反省
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前田義郎:道徳の地盤----カント「道徳形而上学」の問題----
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田村公江:精神分析から見たエゴイズムの起源----パラノイア的人格構造と攻撃性----
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柳沢有吾:政治・生命・倫理----ドイツ刑法218条改正問題をめぐって----
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松王政浩:ライプニッツの力学構造----「原始的力」の根源性をめぐって----
実践哲学研究17号(1994)
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本田裕志: ベルクソンにおける神秘主義の二つの意義
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板井孝一郎: 民族宗教と新しい神話----ヘーゲル生命論と宗教----
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研究報告: 医療の倫理学
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パターナリズムとインフォームド・コンセント
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脳死臨調答申から「臓器移植法案」へ
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安楽死問題
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医療資源の配分の倫理
実践哲学研究18号(1995)
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蔵田伸雄: 定言命法と規則功利主義
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奥野満里子: パーフィットの人格および人格同一性の議論について
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研究報告: 共同体主義とはなにか
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総論
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アトミズム
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徳と共同体
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正と善
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文化多元論
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フェミニズム
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共同体主義と医療倫理
実践哲学研究19号(1996)
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白水士郎: 力と理性
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小林亜津子: 信仰と体系知の相克
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江口聡: 「真理は主体性である」再考
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伊勢田哲治: Concept of Fitness
実践哲学研究20号(1997)
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安彦一恵: ベンサムの(もう一つの)科学主義
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長岡成夫: オランダの安楽死問題
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桝形公也: KIERKEGAARD AND MEIJI ERA
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伊藤正博: ラカンの〔第二の死〕の概念について
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藤野寛: 多元文化論のための若干の基礎的思弁的考察
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佐藤義之: 二つ目の倫理は存在するか
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板井孝一郎: ヘーゲル言語論と有機体的言語観
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加藤尚武: 完全義務と不完全義務
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「実践哲学研究」既刊目録
実践哲学研究21号(1998)
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奥野満里子: 選好強度の比較について
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鈴木真: J. S.ミルにおける諸個人の発展の概念とその功利主義的根拠
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フィリップ・スコフィールド (児玉聡 訳): 法実証主義と初期功利主義思想における契約説の否定
実践哲学研究22号(1999)
- 奥田太郎: ヒュームにおける所有決定規則の検討
- 児玉聡: ベンタムにおける徳と幸福
- マイケル・トゥーリー (神崎宣次 訳): ヒトのクローニングの道徳上の地位
実践哲学研究23号(2000)
- 加藤尚武:キケローからミルへ
- 鶴田尚美:パーフィットにおける人格の還元主義と配分的正義
- 林芳紀:Hermeneutics and the Possibility of Cross-Cultural Understanding
- ロジャー・クリスプ(鈴木真訳):平等とその含意
実践哲学研究24号(2001)
- 小林亜津子: 愛と運命の「論争的」和解としての歴史
----「宗教哲学」講義1821年草稿におけるヘーゲルの歴史意識と救済史 ----
- 神崎宣次: On Options
- 佐々木拓: ロック自由論の独自性について
- マイケル・スミス (林芳紀 訳): 行為と意志の自由
実践哲学研究25号(2002)
- 島内明文: ヒュームとスミスの共感論
- 深谷太清: Nachvollzug der Konstruktion des Bosen in Schellings Philosophischen System. Der Begriff des Bosen und die Moglichkeit desselben in der Freiheitsschrift von 1809
- 研究報告: メタ倫理学における内在主義と外在主義
-->序: 内在主義と外在主義の区別について
-->バーナード・ウィリアムズ「内在的理由と外在的理由」
-->クリスティン・コースガード「実戦理性についての懐疑」
-->クリスティン・コースガード「反省の権威」
- ルードヴィヒ・ジープ (児玉聡 訳): 現代の生命倫理学との関わりにおける倫理学的諸原理の考察
実践哲学研究26号(2003)
- 山本圭一郎: On the Relation of Mill's Utilitarianism and Liberalism
- 鈴木真: Three Arguments to Rebut the "Neglected Alternative" Objection
- 研究報告: メタ倫理学における価値の実在問題について ---- 準実在論と感受性理論 ----
-->ジョン・マクダウェル「価値と二次性質」
-->サイモン・ブラックバーン「錯誤と価値の現象」
-->デイヴィッド・ウィギンズ「感受的主観主義?」
実践哲学研究27号(2004)
- 奥田太郎: マイケル・スミスのヒューム主義とヒューム道徳哲学の比較検討の試み
- 児玉聡: ベンタムの功利主義におけるsecurity概念の検討
実践哲学研究28号(2005)
- 相澤伸依: ミシェル・フーコーの方法論:系譜学の導入について
- 佐々木拓: 生き方が責任を作る:『もうひとつの可能性』再考
実践哲学研究29号(2006)
- 小城 拓理: ヒュームによるロック同意論批判の検討
- 林 誓雄: ヒューム道徳哲学における認識論的基礎
- 神崎 宣次: ハーバート・サイモンの多少混乱した概念
実践哲学研究第30号記念号(2007)
- 安彦 一恵: 宗教的美学主義 ― ハイデガー的発想についての一考察 ―
- 太田 徹: 超越論的論理学の構成に基づく一考察
- AIZAWA Nobuyo: Foucault et le liberalisme - sur les cours au College de France des annees 1978-1979
- 研究報告: 倫理学者のためのニューロエシックス
実践哲学研究第31号(2008)
- 水谷 雅彦: だれがどこで会話をするのか ― 会話の倫理学へむけて ―
- 北尾 宏之: カント倫理学における背進的方法と前進的方法 ― 『道徳形而上学の基礎づけ』第2章の一つの読み方 ―
- 杉本 俊介: 企業の道徳的行為者性を擁護する ― デイヴィッド・ゴティエの理論を応用する試み ―
実践哲学研究第32号(2009)
- 永守 伸年:総合の理論をときほぐす ― 『純粋理性批判』における想像力の多層的活動 ―
- 薮本 沙織:ホッブズ道徳哲学における自然法
- デイヴィッド・ヒューム(林 誓雄訳)エッセイを書くことについて
- 林 誓雄:解題 ヒューム道徳哲学における「エッセイを書くことについて」の位置づけと意義
実践哲学研究第33号(2011)
- 源 重浩: バークリーにおける独我論の問題 ―初期唯識思想との関連において-
- 梅野 宏樹: 被造物の本源的不完全性から形而上学的悪へ -ライプニッツにおける原始的受動的力の働きによって-
- 研究報告:道徳心理学の三つの話題
-->山本 圭一郎:道徳判断と動機づけ問題の新たな側面
-->永守 伸年:客観性なき実在論-近年の道徳心理学における感情主義の検討-
-->神埼 宣次:環境倫理学のための道徳心理学
- 山本 圭一郎:2010年度 APPE大会参加報告
実践哲学研究第34号(2011)
- 上山 愛子: カントの『道徳形而上学の基礎づけ』における嘘の約束
- 特集:道徳心理学の三つの話題(2)
-->佐々木 拓:メタ倫理学における不整合主義
-->杉本 俊介:条件的誤謬からの内在的理由説批判-
-->永守 伸年:道徳心理学における「二重過程モデル」再訪
実践哲学研究第35号(2012)
- 安井 絢子: ケアの倫理の倫理的基準 -Noddingsのケアリング理論における「倫理的理想をめぐって」-
- 佐藤 岳詩: メタ倫理学における「非認知主義」の展開
- 林誓雄:「欲求の捉え方」-「ヒューム主義」に関する一考察-