初年度においては、研究体制の基盤整備を行なう。まず、 コアメンバーによって、データ収集の方法について協議する。 特にドキュメント化されていないものに関しては、 これまでの規範倫理学の知見をも参照しつつ、分類の 方法など、データベース化のための予備的考察を行なう。 しかしこれも、実際に収集作業を実行しつつ行なう必要がある。 その他、コアメンバーは、9月にプリンストン大学で研究打合せ、 12月にロンドン大学で国際研究会出席、 3月に京都大学で小規模の国際シンポを開催の予定。
平成11年度においては、前年度に開発された手法をもとに、 本格的にデータ収集、データベース化の作業にはいる。研究の進歩状況に 関しては、情報倫理ニューズレターの刊行(隔月)により公開し、 議論を喚起する。年度末には、 情報倫理資料集1および研究報告論文集1(以後毎年)を刊行する。 国際研究集会への出席、国内における数度のワークショップ開催も行なう。
平成12年度においては、前年度までの調査、研究を継続するとともに、 データベースおよびその検索システムの試験的な公開を 行なう。成果報告としては、 前年と同様であるが、新たに初等・中等教育における 情報教育のための素材集を作成する。第2回国際シンポを開催する。
平成13年度においては、前年までの研究、成果報告が継続されるが、 研究の仕上げの 一環として、倫理学系、情報工学系の学会においてシンポジウムを組織し、 それぞれの専門家からの意見聴取を行なう。また、情報倫理に関する 教科書を出版する。
平成14年度は、研究の総仕上げが行われる。データベースのさしあたっての 完成と、これ以降の新しいデータの組み込みのための体制の確立が 行なわれるとともに、本研究の最終目的である、情報倫理ガイドラインの 提案を作成する。これについてのコンセンサスの構築のために、 第3回国際シンポを大規模、かつ公開で開催する。